『自閉症スペクトラム 10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体』より

本田秀夫『自閉症スペクトラム 10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体』から、印象に残った部分を引用する。

 

第2章より

「支援を考える際は、こだわりをなくすことを目指した治療を考えるよりも、「趣味や日常の生活習慣の中のこだわりを増やし、結果として異常なこだわりを減らす」という発想を持つことによって、いわばこだわりを活用することを心がけています」

 

第4章より

「実は、自閉症スペクトラムの子どもは、長時間勉強をやってもあまり頭には入っていきません。そしてふと気づくと、自分の部屋の片付けひとつできない、買い物もできない、最低限の身の回りのこともできないという状態になってしまいます。一方、勉強に多くの時間をかけてしまうと、得意なことを伸ばすこともできません。このような人は、自信を失いやすいのです」

(親の立場から)

「「ゲーム以外に趣味を見つけようと思ったら、勉強させる時間がなくなってしまう」とご心配かもしれません。もし、「ゲーム」「ゲーム以外の趣味」「勉強」という3つのうち、どれか1つを捨てなければならないとしたら、どれを捨てるべきか考えてみてください。ゲームは好き、勉強は大嫌いというお子さんの場合、申し訳ないですが、勉強はもう捨ててください」

「子供がその後の人生を豊かに過ごすために本当に必要なことは、ほかにあるのです」